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エンジニアを目指す人は知っておくべき IT 業界の構造【必須知識です】

このウェブサイトでは主に C# というプログラミング言語を解説していますが、将来的にエンジニアを目指したいという人のために、IT業界やシステムエンジニアの仕事内容といった転職・就職に関する内容も紹介していきます。

ここで取り上げるのは IT 業界の業界構造について解説していきます。もしエンジニアになりたいと思うならば、まずは IT という世界がどのような構造を持っているのかを知っておくべきだからです。キャリアプランを考えるうえで業界知識は必須になります。

IT業界は未だして多重下請け構造となっており、人によっては希望の仕事にありつけないようなことがあり得ます。「思ってたのと違う・・・」というアンマッチにならないように、まずはエンジニアとして実際のお仕事の話をしていきます。

IT業界の業界構造

それではIT業界の構造について解説しています。結論から言ってしまうとIT業界は「建築業界」に似ている思っています。基本的に大企業と中小企業に分かれており、大企業の案件を中小企業が下請けとして受注するような形式が多いです。

IT業界における大企業とはNTTや富士通、日立などがありますが、資金の潤沢な企業が大規模な案件を受注することが多いです。大手企業が案件を受注を受けると同時に、案件の進行に必要な人員をほかの企業から募って仕事を進める一般的です。これが一般的なIT業界の構造です。

これとは別に、自らのサービスを提供してお金を稼いでいる企業もあります。会計システムである「勘定奉行」「MJS」また、Chatwork、Lances、Free、MoneyForwardなどは自社でユーザー向けにアプリケーションを開発して、独自に営業を行って収益を得ている企業もあります。

要するに、IT企業を大きく分類すると、大規模な案件を受注して、案件の制作部分を外注にする側と、そうした案件に参画するにあたっての人員送出による収益を得る企業と、自らアプリケーションを開発して収益を得る会社の3つに分けることができます。

IT企業の様々な形態

これまでにお話してきた通り、IT企業には様々な生き残り方があることを紹介しました。ここではもう少し詳細に企業の形態を深堀していきたいと思います。私の経験では大きく分けると以下の4つの形式に分かれると考えています。

  • 大手ベンダー企業
  • 派遣専門のIT企業
  • 独立系のIT企業
  • ミックス型のIT企業

それぞれについて、各形態における主なビジネスを見ていきます。これはつまり「どのタイプで仕事をしたいか」という将来的な希望と「入社した企業における仕事内容の縛り」という入社後の後の祭り的な絶望の2点をあわせもっていると思います。そういう点で「どんな企業で仕事をしたいか?」を考えるための材料になるはずです。

大手ベンダー企業

IT企業は様々な形態でビジネスを行っていますが、業界の基本的な構造は建築業界に似ていて、一握りの大手が国内の大きな案件を受注することが多いのが現状です。大手と聞いて真っ先に思いつくのは富士通、NTT、日立あたりが有名ですね。

ビッグネームが大規模案件を受注するのには、「それなりの支払い能力」があるからです。要するに「大きい企業の方が何かあったときに信頼できる」という点が評価されているのだと思います。また、大規模な案件を受注して中小企業を中心とした下請け企業に開発・構築を流す場合がほとんどなので、どちらかというち「人を使う側」に回ることが多くなります

派遣専門のIT企業

ITエンジニアを様々な企業の現場に派遣することで収益を得る「派遣業」をメインに活動している企業も多いです。例えば大手の受注する大規模案件に人を送り込むことで収益を得るといったビジネスをしています。

エンジニアは専門職ですので、エンジニアを現場に「技術力の提供」として派遣することで、時間単位で売り上げを計上できるシステムがあります。業界用語では「SES」とも言われています。本社が小さいのに社員規模が大きい場合は、このシステムで収益を上げているといえます。

独立系のIT企業

独立系のIT企業は少し立ち位置が特殊で、自分たちで顧客を獲得してシステム開発を行ったり、サーバーやネットワークの構築を行っている企業です。大手が受けた仕事の下請けを行うという業界構造から少し離れて、自分たちでビジネスを行っている場合が多いですね。

中には自らソフトウェアを開発してB2BやB2Cで販売・サポートしている企業もあります。それ以外にも「上流工程メイン」と称して、顧客獲得から要件定義や設計のみに特化した企業も存在しています。

ミックス型のIT企業

ミックス型のIT企業は派遣型と独立系をミックスさせてビジネスを行う企業です。社員の大半が外部で派遣として「外からお金を稼ぐ」一方で、社内でアプリなどを開発する部隊を持っています。

派遣で安定的な売上を得ていく一方で、新たな顧客獲得のために活動していく精力的な行動が要求される形態です。また派遣先から信頼を得て新たな仕事を社内開発で行う、といった仕事の恩恵を受けやすい形態とも言えるかもしれません

筆者のとった選択

筆者はプログラミングを使った仕事をしたかったので、はじめに選んだ企業は独立系のIT企業を選びました。アプリケーションの改修や保守、開発を行いながら、技術力と知識を身に着けるように泥良くしたつもりです。

これが大手ベンダー企業のような場所であれば、プログラミングは最低限の知識のまま、エンジニアとして案件を管理する側に回っていた可能性もありました。少なからず独立することも頭にあったので技術的な側面を鍛えたいと考えたからです。

逆に言うとプログラマーのままで独立してしまうと、上流工程といった高い位置から案件を俯瞰できる位置の仕事を受けることができないため、今後のキャリアの方向性を常に考える必要が出てくるということでもあります。

あなたはどこで働きたいか?

IT企業には様々なタイプがあるということを紹介しました。IT業界への進路を考えるうえで「あなたがどんなキャリアを歩みたいのか」という問題への必要性を説いてくれています。IT業界は、一歩間違えると「やりたくもない仕事」に就く可能性が大いにあるのです。

プログラミングを使って仕事をしたいならば、アプリケーション開発を主戦場とする企業に行く必要がありますし、マネージャーとして案件の管理・顧客との対話に興味があるのであれば、国内大手など「人を使って案件を管理する側」に行くほうがいいです。

IT企業といっても一括りできるものではなく、様々な特徴を持つ企業が多いので、あなたがIT業界でやりたいことを考えて、それに見合った企業への進路を考えることがとても重要になるのです。

Tomohiro Furukawa

プログラミング未経験からIT企業に就職し、2020年からフリーランスエンジニア。今は奈良県を中心にシステム開発やプログラム講座、エンジニア教育などを提供しています。ミニマリスト | 地球環境 | 猫。詳しくは「プロフィール」にて。

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